Thursday, November 30, 2006

Logos

理由あって三週間ほど日本におりましたが、無事にシリコンバレーに戻ってきました。


日本にいる間にあったイベントとしては、GMAPというテストを受け、その結果を貰ったこと。


GMAPとは、「クリティカル・シンキング(考える力)を『情報理解能力』『論理的な主張の展開能力』『論理的な意思決定/判断能力』の3つに分解し、それぞれの能力を測定するためのアセスメント・テスト」だそうです。


リアルコムはコンサルタントが多いので、結構社内では「クリティカル・シンキング」なんて言葉も頻繁に聞きますし、論理的な思考をする人は多いように感じます。


ちなみに私の成績は、びっくりするほど良くもなければ、悲観するほど悪くもない。自分の結果を見て、なんとも中途半端な感覚でした。

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いま、開発内で合宿を企画しているんですが、合宿で「クリエイティブ思考を鍛えたい」というリクエストがありました。


「クリエイティブ思考」という言葉、なんとなくは理解しつつも、実体がよくわからず、ウェブ上でいろいろを調べてみました。


WikiPedia(英語)には "Criticla Thinking" という見出しはあるが "Creative Thinking" という見出しはないから、きっとそんなに明確な概念があるわけではないんだとおもいますが、その他のサイトも参考にしてみると、「拡散思考」だとか「右脳系の思考」だとかと関連性が高そうだ。


なんか方法論的なものがあるのかなと思って探してみたら、こんなサイトもありました。合宿では、本題に入る前に、この辺のネタから少し頭をやわらかくしてみるのもありかもしれない。

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話を戻して、GMAPとは「論理」の能力を測定するテストだそうだ。


論理の語源はギリシャ語の Logos で、Logos には言葉という意味もある。なので、論理とは言葉である。(なんか朝日新聞のCMみたいだが。)


言葉について、私は大学のころ読んだソシュールの「シニフィアンとシニフィエ」という考えに非常に感動した覚えがある。

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私は文系の学部出身で、大学で一応法律を勉強していたんですが、授業を受けながら、法律は(それが制定された背景はいろいろありつつも結局)単なる言葉でしかできていないものだよなぁ、といつも思ってた。だから、そんなものは最低限必要なもの以外は作ってくれるな面倒だからと思っていた。


なもんで、実態が言葉についていけないからといって、そんな状況に被せるようように新しい法律がつぎつぎ簡単に生まれてくる状況はなんとなく気持ち悪く、「拡大解釈」とかいうやりかたはさらに気持ち悪かったし、今も気持ち悪い。(ちなみに「なし崩し」はもっとも気持ち悪い。)

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私は文系出身で、だからこの前日本の地下鉄に乗りながら「(機械語でなく)高級言語はやっぱり文系人間の発想だよなぁ」ということを考えていたら、ちょうど今日、経済学部出身の仲間から「文系だから、やっとRubyで自分に合う一生ものを見つけた感じ」という旨の言葉をいただいた。その感覚にすごく同感である。

Thursday, November 09, 2006

Innovation

せっかくアメリカにいるのだからと翻訳を買わずにBordersThe Ten Faces of Innovationを結構前に購入した。この本は、イノベーティブな会社に必要な人材を10のタイプに分けて紹介しているのだが、 進捗ははかばかしくない。

ちなみに10のタイプの最初に著者が上げているのが、Anthropologists(人類学者)である。これは、著者の別の著書である発想する会社!を読めばわかりますが、人の振る舞いを観察し、そこから洞察することが出来る人が重要であるといいます。

パリに行くとつくづくわかりますが、シャルルドゴール空港からパリの中心へ向かって走る電車やパリ市内のメトロの自動改札は、大きな旅行鞄をもった旅行者には非常に厄介な仕様になっています。
著者は、たとえばこういった自動改札はちゃんと人の振る舞いを見ていけば、こんな風な仕様にはしないで済むよね、といいます。
最近パリを訪れていませんが、以前と変わっていなければ、あそこの自動改札はあってないようなもので、みんな切符を買わずに跨いで越えています。あそこの自動改札を作った人は、そういう振る舞いをなんとかしようと、通りにくい仕様にしたかもしれませんが、確かにアレは使いにくいことは確かです。

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先週の KM World のオープニングキーノートセッションのタイトルは "Innovation and Seeing What’s Next" で、 Stephen Wunker 氏が、市場の構造を変えるようなイノベーションが起きるパターンについて話をしていました。

デジタル音楽市場において、ソニーはレコード会社を持っていたために既存の流通を気にしていて出遅れ、iPodによるマーケットの席捲を許してしまった例、ミニコンとPCの市場サイズの逆転の例、そのたさまざま例を挙げて、そのような現象が起きるパターンと、勝ち残るために必要な視点について述べています。

彼がそこで言っていたことの中で、私が興味深かったのは以下のような趣旨の話でした。

"Marketの求めるものにとらわれすぎても、Userの求めるものにとらわれすぎてもいけない。そうすると背後で進んでいる市場を変える流れを見失ってしまうから。だから、きちんとJOBを見る必要がある。"

ここでの User は「表面的に/見えるものに対してユーザーが言っていること」、Jobは「潜在的に、かつ本当にユーザーが求めていること」と私は解釈しました。

たとえば、利ざやの大きいオフコンの方が、利ざやの小さいPCよりも売れるし、売上もあがる時代には、オフコンで売上を上げている企業はPCへシフトしようという判断は容易ではない。しかし、その背後では Market が変わろうとしている。

"User"は、ポータブルのカセットプレイヤーしかない時代にMP3プレイヤーがほしいとは言わない。あるいはBlogが出てくるまで、ユーザーはBlogが欲しいなどとは言わない。しかし、ユーザーはいまiPodを使い、社内ツールとしてBlogを使っている。

Saturday, November 04, 2006

Taxonomy Boot Camp

San Jose McEnery Convention CenterでKM Worldと同時に開催されていたTaxonomy Boot Campに参加してきました。

Taxonomyは一言でいうと体系だてて何かを分類すること。Taxonomy Boot Campでは、「社内のTaxonomyは独自に構築すべきか」「社内の情報をいかに分類するか」などのトピックや、社内でのSocial Tagging実践に関する報告など、情報分類のためのさまざまなセッションが催されました。

そんな一連のセッションの中で、「Flickre や del.icio.us などのタギング(フォークソノミー)は、誰でも簡単に分類に参加でき、低コストで分類できる。ただし無秩序に陥りやすい。一方、厳密に階層化したタクソノミーでは、専門で分類する人が必要で結構コストもかかる。だからフォークソノミーとタクソノミーをうまく結び付けてあげることが重要だ」という趣旨の話を聞きながら、以下のようなことを考えていました。

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Taxonomyに関する話をみんなが聞きに来るというのは、膨大なコンテンツのなかから特定のコンテンツへどう人を導いていくかということに多くの人が重きを置いているからなのかな。

以前はコンテンツビジネスが盛んな時期もあったが、コンテンツの価値は下ってきているのかもしれない。あれだけYouTubeにタダで出ているんだから。コンテンツが飽和してきている今、情報をうまく取捨選択できるようにする仕組みが重宝されているんだろう。

Googleは欲しい情報へのアクセスを最適化し、情報へたどり着くための最短距離を導き出す仕組みを提供し、情報を探す人の時間的コストを削減する。あるいは、カカクコムやKayak(httpp://www.kayak.com)はもっとも安くモノを提供しているところを探すことで、商品を買おうとしている人が支払うべき金銭的コストを削減する。こうした価値を提供することで、ユーザーから支持をえて、トラフィックを得て、広告を得やすくしている。

コンテンツだけでなく、人と人との距離を縮めることも当然重要な考えだろう。たとえば、VisiblePathのように人へのアクセスを最適化し、目的の人に会うためにかかるコストを下げることで、ユーザーから支持をえようとしている仕組みもある。

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ということで、ひとまず参加報告まで。

Thursday, October 12, 2006

RPG

RPGの経験値システムを最初に作ったのは誰かが気になってWikipediaを見てみたら、「世界最初のRPGといわれるダンジョンズ&ドラゴンズで、導入されたシステムであり、アメリカ軍の昇進システムにヒントを得たとも言われている」。
RPGは「人生とは経験をつんでステップアップしていくもの」という視点で見ている人じゃないと作れないよな、だったら日本で生まれたという可能性もあるなと思ったのですが。(でも年功序列だと経験値が無くても出世しちゃうから違うんだな、きっと。)
 
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私は途中からゲームの発展についていくのが面倒になった(まさにRPGなんか面倒だった)口で、だからDSのユーザーである。以前、シリコンバレーに来る前に、静岡で行なわれたサッカーの試合にDSを持ち込んで「ピクトチャット」を起動したら、すぐにいろんな人から声をかけられた。なので私もいろんな人に声をかけてみた。
 
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DSといえば、2、3週間前のこと、JTPAのイベントで奥井一穂さんが、最近開発したDS用のVoIPライブラリの話をなさっていました。ゲームをしながら、おしゃべりが出来る。いまのお子様達はそういう世界で育っていく。
そういえば、パソコンで音声認識やボイスチャットが出来たころは、ヘッドセットをつけてパソコンに向かって話すのに、多分多くの人が抵抗感を持っていたけれど、いまやSkype花盛り。
 
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奥井さんはこのイベントで、組み込み系開発とWeb 2.0系開発の対比をしていました。たとえば、限られたリソースの中でやる(組み込み)のかリソースは無限にある(Web 2.0)という前提か、とか。理系(組み込み)か文系(Web 2.0)か、とか。
昔は、「限られたリソースの中でやる」ことは当然のことだった。PCに詰まれるメモリは限られていたし、Mac OSではいつも自分の作っているソフトウェアがどれだけメモリを食っているかを気にしながら開発していた。でも、それもいまは昔。
 
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Mac OSを(それだけでなくたくさんのソフトウェアを)いつも模倣してきたといわれたりもしている Microsoft は、もうすぐMac OS Xに似ているとも言われている Vista を正式にリリースする。少しずつ、いろいろなメディアで取り上げられている。
でも、多分、私の奥さんはVistaのことなど無関心。それよりも、見逃したアメリカの連ドラを見るのに使っている YouTube が Google に買収されるというニュースに興味津々。

Sunday, October 01, 2006

Enterprise and Web2.0

エンタープライズという視点からWeb 2.0を見ると、Web 2.0と呼ばれる世界で提供されているサービスをいかに企業の中に取り込んでいくかという一つの潮流がある。

品質が比較的高く独自性の高いソフトウェアをサービスとして安く(多くの場合無償で)、すぐに使える形で提供することで、多くのユーザーの支持を得る。そうしたサービスのいくつかは、企業内でも有用そうなので使ってみようという流れになってくる。SocialtextなどブログやWikiを企業内でいかにつかうかというトピックや、Googleアプライアンスなどはその代表的な例だ。

これは、多くのWeb 2.0系企業、特に収益モデルが確立されないままサービスを提供している企業が生き残っていくための一つの流れになるかもしれない。

(話がすこしそれるが、収益モデルに関して言えば、小さなWeb 2.0系企業にとって収益モデルを確立するのは簡単なことではなく、収益モデルが確立されるのと、自分の体力が尽きるのとどちらが早いかとの時間との勝負というケースも多いようだ。
利用者が企業活動の中でサービスから何らかの利益を享受でき、その対価としてサービスを提供する会社が利益を得ることができれば、サービスを提供する側と享受する側との間で良好な関係を築くことができる。
しかし、そこまで行き着くことは簡単ではない。
ベンチャーキャピタルから投資を受けることが出来れば、ある程度中長期的な視野にたって企業活動を行なうことも出来るかもしれない。
しかし、それが出来ない場合のオプションは受託/請負形のビジネスモデルということになる。こうなってくると、利益率が大きなビジネスを期待することは難しい。また、目先の開発に追われてしまうために、中長期的に見たときの技術的優位性を確立し維持していくことは難しくなる。 )

エンタープライズとWeb2.0との関係を考えたときに、一つの形として、先ほども触れたように現在ウェブ上で展開されている各種サービスをイントラネットの中だけで利用したいというユースケースは存在するだろう。Writely Zoho などのオフィス系サービスも存在するが、多くの企業にとって自分達が持っている企業内向けコンテンツの全てを公開された世界に乗せることは情報漏洩のことを考えただけでも難しいから、少しお金を払ってでも社内だけで利用できるようにしようとするのは当然のことだと思う。

もう一つの形としては、エンタープライズ独自の要求を、Web2.0系のサービスとつなぐというのもある。
セキュリティの観点からまだ企業ではASPサービスへの抵抗感があるのが現状だ。ASPでサービスを提供しているSalesForceは、各社のサービスを統合するためにAppExchangeを提供しているが、セキュリティ上のリスクを下げるためにSXIPのサービスを利用している。

企業には企業独自の要求がある。そこをうまく実現してあげることが重要になってくる。

Wednesday, September 27, 2006

Completely networking event

以前、こちらに来て初めてネットワークイベントに参加しながら肝心のネットワーキングの時間に参加できずに終ったことを書いたけれど、このたびどっぷりとSFWINというネットワーキングイベントに浸かってきました。

人と話して、接点を見つけて、繋がる。それを、繰り返す。その場にいる人全員が、そうやってネットワークを張っていく。
私の場合なんとかこちらのコミュニティに引っかかるために、いろんな人とコミュニケーションをしてみました。


こういう場に来て肌で感じるのは、自分はまだまだアウトサイダーであるということ。
武器も無く、ほとんど裸一貫の状態で、見知らぬコミュニティに入る。コミュニティのメンバーが興味を引いてくれるようなお土産があるわけでもない。「どうせアメリカにやってきたのも腰掛程度だろう」と見らてるかもと感じることもある。

こういう中で、切れるかわからない武器や武器になるかどうかわからないものを持ち出して、Try & Error でコミュニケーションを考えていく。

終ったら、結構ヘトヘトでした。

しかしそれにしても、こちらに来て思うのは、早く武器を作らないと、ということ。みんなが興味を引いてくれるような武器、素敵なソフトウェアを作らないといけないと思うのだ。ここでは、言葉よりもモノのほうが多くを語ってくれることが往々にしてあるからね。

さあ、がんばりまっせ。

Tuesday, September 19, 2006

An IMPORTANT notice from the Writely team

着実に組みあがっていますね。

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Dear fujioka,

In a few days, we will update your Writely account to use your ***** Google Account registration settings.

This means you'll need to use your Google Account password when signing in, not your Writely password (if they're different).

If you've forgotten your Google Account password, just go to https://www.google.com/accounts/ForgotPasswd

Thanks!
Google Writely Team

Sunday, September 17, 2006

Water flows from high ground to low

そろそろ週末にサッカーを観ずに過ごすのが苦痛になってきたけど、San Jose Earthquakesもいなくなって、近くではやっていないので、ネット上でいろいろ探してみたらITVNというのにぶち当たりました。

ブロードバンドを使った新しい双方向テレビだそうで、申し込むとペーパーバック大の機器が送られてくるらしい。これをルーターとテレビの間につなげば、セットアップ完了。今なら30日以内の返品は自由!キャンペーン中。サッカーチャンネルを見ようと思ったら月$30位になる様子。

なんか設置が楽そうで、受信機さえくればすぐに見ることが出来そうなので、画像は多少荒そうだけども申し込もうかなとおもったら、もっとお手軽なのを発見。

ITVNでも番組を提供しているSETANTA SPORTSが、インターネットテレビを直に提供してました。私のお気に入りのフランスリーグもライブで中継しているようなので、早速申し込み。決断からせいぜい2,3分で視聴開始。テレビと比較すれば多少画像は悪いけど、私にはこれで十分。

地上デジタルまであと5年。でもみんながきれいに移行してくれるとは限りません。水は高きから低きに流れる。うまくやれば、インターネットテレビ分野にはまだ大きなビジネスチャンスがあるのかもしれません。

#サッカーをサッカーと呼ぶのには抵抗感があるんだよな。フットボールだよなやっぱり。こちらではご存知の通りフットボール=アメリカンフットボールなんだけれど。

Saturday, September 16, 2006

Visual Design

今日はVisual Designの話なので、テキストは少なめ。

さて問題。この数字の羅列は何を意味でしょう?



こうしたら、少しは意味が分かりはじめる。



色を使って、もうすこし分かりやすく。



こうすれば、ひと目で伝わる。



今回は、The Future of Web Apps 二日目の中で面白かったGoogleのデザインマネージャー、Jeff Veenの話から拾ってみました。

ちなみに、彼はブログ解析ツールMeasure Mapのプロジェクトリーダーだったそうな。

Wednesday, September 13, 2006

THE FUTURE OF WEB APPS

本日から二日間、"THE FUTURE OF WEB APPS"というカンファレンスがサンフランシスコで開催されています。

結構面白い。Web 2.0の本場だし、刺激させられるものがあります。

特に、Google のプロダクトマネージャー Carl Sjogreen のGoogle Calendar開発の話題にとっても共感。

Google Calendar は今年4月のリリースまでに、以下のような過程を経たといいます。
①「まず実際のユーザーに話を聞く」ところからはじめます。多くの人に話を聞くことで、すぐにテーマが見えてきます。
②次に、方向性を決めます。たとえば既存のカレンダーではレスポンスが遅かったりフォームが複雑なので、それを解決しよう、とか。
③決めた方向性に従って、開発を進めます。プロトタイプを作り、自分達で使ってみます。(プロトタイプに関して言えば、スケーラビリティよりも前にインタラクションとユーザーモデルをしっかり組むべきだといいます。)
でもって、リリース。

一見簡単なのですが、この通りに進めるのは案外難しい。

たとえば、”ユーザーの話を聞く”といったときに、Carl Sjogreen はこういいます。
「最初のユーザーは必ずしもターゲットユーザーではないということを心に留めておく必要がある。」
しかし、ビジネス上は最初のユーザーが非常に大切なケースもあります。

あるいは、「方向性を打ち出す」といったときに、以前開発したプロジェクトで問題になったことを過度に意識しすぎると、バランスの悪い方向性を打ち出してしまい、開発に着手した後に大きな手戻りを発生させてしまうかもしれません。

良いものをリリースするためには、正しいバランス感覚が非常に重要なのですね。


また、Carl は、Google Calendar 開発を通じて得た知見として六つの項目を上げていました。「そのとおり」という事ばかりだったのですが、私が特に同感したのは「簡単であることこそ最も重要なFeatureである」ということ。次にうなずいたのは「ビジュアルデザインは至極重要である」ということ。


ところで、Google Calendar の Quick Add という機能、私は使ったこと無かった(し今後も使うかわからない)んですが、試してみると結構素敵ですね。

Tuesday, September 12, 2006

HAKONE for Notes

日本にて、リアルコムの製品発表会が行なわれました。
http://www.realcom.co.jp/news/20060912_HAKONE1.3.html
ちなみに、私は遠くにいるため今回は参加しておりません。

早速、いろいろなところで取り上げられているようです。
http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/software/2006/09/12/8638.html
http://www.atmarkit.co.jp/news/200609/13/hakone.html
http://japan.zdnet.com/news/ir/story/0,2000056187,20231528,00.htm

Friday, September 08, 2006

San Jose Office

伝え忘れていましたが、先週初め(8月28日)にオフィスが Los Altos から San Jose Downtown に移りました。



新オフィス移転にあわせて、こちらのオフィスのメンバーが一人増えました。ボスも新オフィス立ち上げのために2週間ほどこちらに来ておりましたが、本日帰国予定。

ネットワークを整備したり、机の配置を変えたり、備品を購入したりなんかしながら、徐々に環境を作り、新しいオフィスもしっかり立ち上がっています。PCとネットワークがあれば、仕事は進むといえば進むのですが、ストレスなく落ち着いて仕事していくためには、こういうのはやっぱり大切です。

Downtownなので周りにいろいろありそうですが、昼飯時以外うろちょろしないので、このあたりはまだどんな感じかわからんというのが正直なところです。

Tuesday, September 05, 2006

"Eclipse Adoption on The Rise"

私も使っているが、調査によれば回答者の60%もがEclipseをIDEとして使っているらしい。以前に比べてかなり安定度が増しているし(というかとても安定しているし)、やりたいことは大概プラグインで手に入れられるようになっているし、多数のコントリビューションがなければ、確かにここまで成熟しないよなぁ確かに。

IDEといえば、とおもってかなり昔に触っていた CodeWarrior を調べてみたら、ずいぶん様変わりしていた、というか原形をとどめていなかった。去年までにMac OS版 CodeWarrior をやめちゃっているし、そもそもメトロワークスという会社の名前自体、別のものになっている。MPW から CodeWarriorに開発環境を変えたとき、結構すごいなと思ったのもいまは昔。

しかしMPWまだ手に入るんだなすごいな。

Monday, August 28, 2006

Rome was not built in one day.

迅速なものづくりの実現は、日々の地道な努力から。

たとえば先日は、猫も杓子も Ruby on Rails の中、あえて JSF で試しにWebアプリケーションを作っていました。

説明するまでもないかもしれないですが、他のページに移動するのも面倒な方向けに簡単に説明しておくと、JSFとは「JavaServer Faces」の略で、サーバーアプリケーションのUIを構築するためのフレームワークです。タグを利用することでJSPを汚さずに簡単にアプリケーションのUI部分を作ることができるので、デザインと実装をきれいに分けて、迅速に開発できるというのがうたい文句。統合開発環境上でドラッグアンドドロップなどの操作で簡単にUIを構築するのに適した技術で、JSF開発に適した開発ツールも出ているようです。

私は、以下のようなものを触っていました。
JSF
Ajax4JSF
MyFaces & Tomahawk

時々細かな問題にぶつかります。たとえば…
・ホームページでは動くと書いてあったので MyFaces を Tomcat 5.5 上で使おうと頑張ったが、結局うまくいかずに Tomcat 5.0 を入れなおした。
・Ajax4JSFを使うと、IE7 Betaで画面遷移せずに空白画面が表示される問題が発生した。
・エラーメッセージがいまいち直感的でない。

でも、うたい文句どおりとても簡単にUIを構築できることは確かです。さらなる成熟に期待!

こちらにもJSF実装があります。こんど試してみようかしら。

Tuesday, August 22, 2006

Skype

福岡に住む両親や浅草橋のオフィスにいる皆さんとお話をするときに非常にお世話になっている Skype のホームページにはこんなことが書いてある。



多分、Skype のエンジニアは電話の代替としてつかってもらえるようなものを作ろうとしているんだと思う。
でも、そう説明しようとしても、完全には電話の代替になりえない。
ユーザーからは、電話でできるけれどSkypeではできないことに関して、たくさんの要望があがっている(それはもしかしたら多くのユーザーにとってはどうでもいい機能かもしれないけれど、誰かが使っている非常に便利な機能。)。でも、いろんな事情があって、それを機能として提供できない。
だから「代替となるサービスではない」。

でも、それはそれでいいのだ。
電話の「ように」使えて、電話よりも安くて便利なものが、まさに電話ではなく「Skype」というものなのだから。

Wednesday, August 16, 2006

(Networking event) - (networking) ≒ 0

シリコンバレーでは、いろいろな形のネットワーキングイベントをやっていて、私もこちらに来て初めてネットワーキングイベントに参加しました…という報告をするつもりだったのだけれども、飛んだ大失態を犯してしまいました。

そもそもはイベント登録時に送られてきた確認メールに書かれた住所と、その下に張られていたリンク先の地図とが異なっていたというのが発端。18時30分に始まる2時間弱のイベントで、印刷した地図を頼りに余裕をもって18時にオフィスを出発したはずなのに、結局本当の会場についたのは19時45分。それほど悪くないはずの方向感覚も、今回はまったく頼りになりませんでした。

ちなみに、(本当の)会場はスタンフォード大学の近くにあるSap Labで、イベントのタイトルは「UNDER THE RADAR|Office 2.0」。大雑把に言うと、Webで公開されているWiki、Blog、チャットをはじめとした無償のツールを使った仮想オフィスともいえるような空間でだれもがコラボレーションできるようになっているよ、ということが主題で、ネットワーキングした後に数社が自社のソフトをプレゼンテーションするという内容でした。

通常ネットワーキングはこうしたイベントの最初に飲み食いしながら行い、あとでプレゼンテーションやディスカッションという流れになっている(らしい)のですが、遅れてきた私はZohoのプレゼンテーションの発表と最後の質疑応答を聞いただけ。ネットワーキングも何もあったもんじゃない。

ちなみにこのZohoは結構よくできている。
ZohoはいわゆるOffice Suiteみたいなもので、Sheet(Excelみたいなもの)、Show(PowerPointみたいなもの)、Writer(Wordみたいなもの)があり、またVirtual Officeといってメールやスケジューラもある。似たようなアプリケーションはちらほらあるが、結構使い勝手も悪くなさそう。プレゼンで印象に残ったのは、Zoho Sheetの表をZoho Showの中に関連付けることができたりするところなど。また実際にZoho Sheetをちょっと使ってみていいなと思ったところとしては作成したファイルにタグをつけてあとで似たようなファイルを探しやすくすることもできるところ。

とはいえ、得られた知見はこれくらい。ネットワーキングで出た飲み物の残り物のスプライトを飲みながら、ガックリと落ち込んで車で帰ったのでした。

Sunday, August 13, 2006

"Engineer's paradise"

こちらに来て一週間。アパートは比較的すんなり決まったものの、車や家財などまだまだそろえなければならないものが多くて、もうしばらく落ち着かない日々が続きます。

先週は先乗りしてシリコンバレーに入ってきている石川にお世話になり、あるいは付き添いながら、弊社アドバイザーの校條浩さん、弊社のすぐ隣の建物にオフィスがある梅田望夫さん、こちらのエンジニアなど、日本に居てはお話しする機会もなさそうな方々とお話をすることができました。
今日は、そんな体験をしながらこの一週間で感じた一つのことを書いておきたいと思います。

それは、"エンジニアがソフトウェアの世界の中心にいる"という価値観が多くの人に共有されているということです。

多くのエンジニアは、どう売れるのかは良くわからないけれど、自分がこれだと思ったものを作るところから始めます。頭でっかちにいろいろ考えるだけではなく、動くもの、カタチのあるものにしていろいろな人からフィードバックを受けて、改善していく。エンジニア同士のネットワークは日本よりも密なので、自らが望めばフィードバックをくれる人はたくさんいます。
動くもの、その価値がうまくベンチャーキャピタルの目に留まると、投資を受けます。校條さんのところでエンジニアのチームがガレージで開発するのを見せていただきました。金銭的なものに限らないさまざな援助を受けて、彼らは開発を進めています。あるいは、先日Kleiner Perkinsからの投資を受けたと発表があったAggregate Knowledgeも訪問させていただきました。かれらも投資を受け、きれいなオフィスで仕事をするかわりにベンチャーキャピタルと約束したことを果たすために開発を行っています。
さらなる評価を受ければ、会社を売るなりしてお金を得て、エンジニアはまた新しいことにチャレンジしていきます。

一生エンジニアで生きていくという人々が自分達の作りたいものを作るところから始める。管理する側から見るとマネジメントが難しいかもけれども、おもしろいことをやっているエンジニアがたくさんいる。そういう人が、活躍できる場がある。
まだ一週間しかいないので断定は出来ませんが、エンジニアが中心になって一人一人がプロとして仕事をしていくことができる環境が、日本に比べると格段に整っている可能性が高そうです。

私も(そしてREALCOM TECHNOLOGYのエンジニア全員も)、こうした環境で結果を残し、作ったものでしっかりと評価をもらえるように努力していきたいと思っています。

Sunday, August 06, 2006

WWDC

今日、マウンテンビューの仮宿に到着しました。湿気もなく、爽快な陽気です。
これからは、東京を離れてシリコンバレーのリアルコムテクノロジーで仕事をすることになります。

私がこれまでにシリコンバレーに来た経験は一度だけ。ちょうど5色のiMacが流行っていた頃、1999年のApple WWDC(Worldwide Developers Conference)に参加したのが唯一の経験です。開発者向けのセッションの他、ジョブス氏のプレゼンや、アップルキャンパス訪問など、一週間イベントが目白押しで、とても刺激的だったことを覚えています。私の人生を変えたというほどではありませんでした(=FRANCE '98のほうが強烈だった!)が、視野を広げることが出来たイベントだったことは確かです。
WWDC'99 では開発者向けに Mac OS X の Preview release CD-ROM が配布されて、私は帰国後、それを使って旧Mac OS用のプログラムをCarbon API を使って Mac OS X向けに書き直す作業をしていました。

そのWWDCが、US時間で明日からサンフランシスコで開催されます。

Apple のホームページを見る限り、今回のセッションの内容は Mac プラットフォームで開発しているエンジニアが押さえておくべきポイントをしっかり押さえた内容になっているようです。
最大の見所は、月曜日朝のジョブス氏のプレゼンテーションで発表されるはずの Mac OS X の新バージョン "Leopard" でしょう。Leopard では Boot Camp が正式にサポートされるようになり、Intel Mac で Windows XP と Mac OS の両方を使えるようになるので、不本意にもWindows PCを使ってた私にとっては大歓迎です。

以前 Mac 用ソフトウェア開発に携わっていたこともあって、私宛に Apple Developer Connection から WWDC への参加を促すメールが結構来ていました。タイミングも良いのでちょっと参加してみようかと思いましたが、参加費もそれなりにするし、参加してもすぐに使えるインプットはそれほど多くなさそうなので、今年は止めておきます。