Sunday, October 01, 2006

Enterprise and Web2.0

エンタープライズという視点からWeb 2.0を見ると、Web 2.0と呼ばれる世界で提供されているサービスをいかに企業の中に取り込んでいくかという一つの潮流がある。

品質が比較的高く独自性の高いソフトウェアをサービスとして安く(多くの場合無償で)、すぐに使える形で提供することで、多くのユーザーの支持を得る。そうしたサービスのいくつかは、企業内でも有用そうなので使ってみようという流れになってくる。SocialtextなどブログやWikiを企業内でいかにつかうかというトピックや、Googleアプライアンスなどはその代表的な例だ。

これは、多くのWeb 2.0系企業、特に収益モデルが確立されないままサービスを提供している企業が生き残っていくための一つの流れになるかもしれない。

(話がすこしそれるが、収益モデルに関して言えば、小さなWeb 2.0系企業にとって収益モデルを確立するのは簡単なことではなく、収益モデルが確立されるのと、自分の体力が尽きるのとどちらが早いかとの時間との勝負というケースも多いようだ。
利用者が企業活動の中でサービスから何らかの利益を享受でき、その対価としてサービスを提供する会社が利益を得ることができれば、サービスを提供する側と享受する側との間で良好な関係を築くことができる。
しかし、そこまで行き着くことは簡単ではない。
ベンチャーキャピタルから投資を受けることが出来れば、ある程度中長期的な視野にたって企業活動を行なうことも出来るかもしれない。
しかし、それが出来ない場合のオプションは受託/請負形のビジネスモデルということになる。こうなってくると、利益率が大きなビジネスを期待することは難しい。また、目先の開発に追われてしまうために、中長期的に見たときの技術的優位性を確立し維持していくことは難しくなる。 )

エンタープライズとWeb2.0との関係を考えたときに、一つの形として、先ほども触れたように現在ウェブ上で展開されている各種サービスをイントラネットの中だけで利用したいというユースケースは存在するだろう。Writely Zoho などのオフィス系サービスも存在するが、多くの企業にとって自分達が持っている企業内向けコンテンツの全てを公開された世界に乗せることは情報漏洩のことを考えただけでも難しいから、少しお金を払ってでも社内だけで利用できるようにしようとするのは当然のことだと思う。

もう一つの形としては、エンタープライズ独自の要求を、Web2.0系のサービスとつなぐというのもある。
セキュリティの観点からまだ企業ではASPサービスへの抵抗感があるのが現状だ。ASPでサービスを提供しているSalesForceは、各社のサービスを統合するためにAppExchangeを提供しているが、セキュリティ上のリスクを下げるためにSXIPのサービスを利用している。

企業には企業独自の要求がある。そこをうまく実現してあげることが重要になってくる。

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