Monday, August 28, 2006

Rome was not built in one day.

迅速なものづくりの実現は、日々の地道な努力から。

たとえば先日は、猫も杓子も Ruby on Rails の中、あえて JSF で試しにWebアプリケーションを作っていました。

説明するまでもないかもしれないですが、他のページに移動するのも面倒な方向けに簡単に説明しておくと、JSFとは「JavaServer Faces」の略で、サーバーアプリケーションのUIを構築するためのフレームワークです。タグを利用することでJSPを汚さずに簡単にアプリケーションのUI部分を作ることができるので、デザインと実装をきれいに分けて、迅速に開発できるというのがうたい文句。統合開発環境上でドラッグアンドドロップなどの操作で簡単にUIを構築するのに適した技術で、JSF開発に適した開発ツールも出ているようです。

私は、以下のようなものを触っていました。
JSF
Ajax4JSF
MyFaces & Tomahawk

時々細かな問題にぶつかります。たとえば…
・ホームページでは動くと書いてあったので MyFaces を Tomcat 5.5 上で使おうと頑張ったが、結局うまくいかずに Tomcat 5.0 を入れなおした。
・Ajax4JSFを使うと、IE7 Betaで画面遷移せずに空白画面が表示される問題が発生した。
・エラーメッセージがいまいち直感的でない。

でも、うたい文句どおりとても簡単にUIを構築できることは確かです。さらなる成熟に期待!

こちらにもJSF実装があります。こんど試してみようかしら。

Tuesday, August 22, 2006

Skype

福岡に住む両親や浅草橋のオフィスにいる皆さんとお話をするときに非常にお世話になっている Skype のホームページにはこんなことが書いてある。



多分、Skype のエンジニアは電話の代替としてつかってもらえるようなものを作ろうとしているんだと思う。
でも、そう説明しようとしても、完全には電話の代替になりえない。
ユーザーからは、電話でできるけれどSkypeではできないことに関して、たくさんの要望があがっている(それはもしかしたら多くのユーザーにとってはどうでもいい機能かもしれないけれど、誰かが使っている非常に便利な機能。)。でも、いろんな事情があって、それを機能として提供できない。
だから「代替となるサービスではない」。

でも、それはそれでいいのだ。
電話の「ように」使えて、電話よりも安くて便利なものが、まさに電話ではなく「Skype」というものなのだから。

Wednesday, August 16, 2006

(Networking event) - (networking) ≒ 0

シリコンバレーでは、いろいろな形のネットワーキングイベントをやっていて、私もこちらに来て初めてネットワーキングイベントに参加しました…という報告をするつもりだったのだけれども、飛んだ大失態を犯してしまいました。

そもそもはイベント登録時に送られてきた確認メールに書かれた住所と、その下に張られていたリンク先の地図とが異なっていたというのが発端。18時30分に始まる2時間弱のイベントで、印刷した地図を頼りに余裕をもって18時にオフィスを出発したはずなのに、結局本当の会場についたのは19時45分。それほど悪くないはずの方向感覚も、今回はまったく頼りになりませんでした。

ちなみに、(本当の)会場はスタンフォード大学の近くにあるSap Labで、イベントのタイトルは「UNDER THE RADAR|Office 2.0」。大雑把に言うと、Webで公開されているWiki、Blog、チャットをはじめとした無償のツールを使った仮想オフィスともいえるような空間でだれもがコラボレーションできるようになっているよ、ということが主題で、ネットワーキングした後に数社が自社のソフトをプレゼンテーションするという内容でした。

通常ネットワーキングはこうしたイベントの最初に飲み食いしながら行い、あとでプレゼンテーションやディスカッションという流れになっている(らしい)のですが、遅れてきた私はZohoのプレゼンテーションの発表と最後の質疑応答を聞いただけ。ネットワーキングも何もあったもんじゃない。

ちなみにこのZohoは結構よくできている。
ZohoはいわゆるOffice Suiteみたいなもので、Sheet(Excelみたいなもの)、Show(PowerPointみたいなもの)、Writer(Wordみたいなもの)があり、またVirtual Officeといってメールやスケジューラもある。似たようなアプリケーションはちらほらあるが、結構使い勝手も悪くなさそう。プレゼンで印象に残ったのは、Zoho Sheetの表をZoho Showの中に関連付けることができたりするところなど。また実際にZoho Sheetをちょっと使ってみていいなと思ったところとしては作成したファイルにタグをつけてあとで似たようなファイルを探しやすくすることもできるところ。

とはいえ、得られた知見はこれくらい。ネットワーキングで出た飲み物の残り物のスプライトを飲みながら、ガックリと落ち込んで車で帰ったのでした。

Sunday, August 13, 2006

"Engineer's paradise"

こちらに来て一週間。アパートは比較的すんなり決まったものの、車や家財などまだまだそろえなければならないものが多くて、もうしばらく落ち着かない日々が続きます。

先週は先乗りしてシリコンバレーに入ってきている石川にお世話になり、あるいは付き添いながら、弊社アドバイザーの校條浩さん、弊社のすぐ隣の建物にオフィスがある梅田望夫さん、こちらのエンジニアなど、日本に居てはお話しする機会もなさそうな方々とお話をすることができました。
今日は、そんな体験をしながらこの一週間で感じた一つのことを書いておきたいと思います。

それは、"エンジニアがソフトウェアの世界の中心にいる"という価値観が多くの人に共有されているということです。

多くのエンジニアは、どう売れるのかは良くわからないけれど、自分がこれだと思ったものを作るところから始めます。頭でっかちにいろいろ考えるだけではなく、動くもの、カタチのあるものにしていろいろな人からフィードバックを受けて、改善していく。エンジニア同士のネットワークは日本よりも密なので、自らが望めばフィードバックをくれる人はたくさんいます。
動くもの、その価値がうまくベンチャーキャピタルの目に留まると、投資を受けます。校條さんのところでエンジニアのチームがガレージで開発するのを見せていただきました。金銭的なものに限らないさまざな援助を受けて、彼らは開発を進めています。あるいは、先日Kleiner Perkinsからの投資を受けたと発表があったAggregate Knowledgeも訪問させていただきました。かれらも投資を受け、きれいなオフィスで仕事をするかわりにベンチャーキャピタルと約束したことを果たすために開発を行っています。
さらなる評価を受ければ、会社を売るなりしてお金を得て、エンジニアはまた新しいことにチャレンジしていきます。

一生エンジニアで生きていくという人々が自分達の作りたいものを作るところから始める。管理する側から見るとマネジメントが難しいかもけれども、おもしろいことをやっているエンジニアがたくさんいる。そういう人が、活躍できる場がある。
まだ一週間しかいないので断定は出来ませんが、エンジニアが中心になって一人一人がプロとして仕事をしていくことができる環境が、日本に比べると格段に整っている可能性が高そうです。

私も(そしてREALCOM TECHNOLOGYのエンジニア全員も)、こうした環境で結果を残し、作ったものでしっかりと評価をもらえるように努力していきたいと思っています。

Sunday, August 06, 2006

WWDC

今日、マウンテンビューの仮宿に到着しました。湿気もなく、爽快な陽気です。
これからは、東京を離れてシリコンバレーのリアルコムテクノロジーで仕事をすることになります。

私がこれまでにシリコンバレーに来た経験は一度だけ。ちょうど5色のiMacが流行っていた頃、1999年のApple WWDC(Worldwide Developers Conference)に参加したのが唯一の経験です。開発者向けのセッションの他、ジョブス氏のプレゼンや、アップルキャンパス訪問など、一週間イベントが目白押しで、とても刺激的だったことを覚えています。私の人生を変えたというほどではありませんでした(=FRANCE '98のほうが強烈だった!)が、視野を広げることが出来たイベントだったことは確かです。
WWDC'99 では開発者向けに Mac OS X の Preview release CD-ROM が配布されて、私は帰国後、それを使って旧Mac OS用のプログラムをCarbon API を使って Mac OS X向けに書き直す作業をしていました。

そのWWDCが、US時間で明日からサンフランシスコで開催されます。

Apple のホームページを見る限り、今回のセッションの内容は Mac プラットフォームで開発しているエンジニアが押さえておくべきポイントをしっかり押さえた内容になっているようです。
最大の見所は、月曜日朝のジョブス氏のプレゼンテーションで発表されるはずの Mac OS X の新バージョン "Leopard" でしょう。Leopard では Boot Camp が正式にサポートされるようになり、Intel Mac で Windows XP と Mac OS の両方を使えるようになるので、不本意にもWindows PCを使ってた私にとっては大歓迎です。

以前 Mac 用ソフトウェア開発に携わっていたこともあって、私宛に Apple Developer Connection から WWDC への参加を促すメールが結構来ていました。タイミングも良いのでちょっと参加してみようかと思いましたが、参加費もそれなりにするし、参加してもすぐに使えるインプットはそれほど多くなさそうなので、今年は止めておきます。